人間は生まれながらにして悪である・・・人間は生まれながらにして善であるか悪であるか、善悪とは人間が社会生活を営むために作り上げた基準である、 この基準に照らし合わせたとき人間の本質は悪である。 人間は生き物である、 生き物の本質は自分が生き残るためには他の犠牲は厭わない自己中心である、 自種の繁栄のためには他種の犠牲は厭わない。 生まれたばかりの赤ん坊に一切の教育をせず本能のままに育てたらどうなるか、 腹が減れば本能の赴くままに他人のものを盗って食い、本能の赴くままに殺し犯す、 善とはすなわち本能を抑える理性である。 ソニー・ビーンという人物を知っているだろうか、 彼は海辺の洞窟に住み旅人を捕まえては食った、 多くの子供を作り、子供たちもまた人を食った。 やがて彼らは捕えられ、あまりの残虐さゆえに裁判にかけられることもなく処刑された、 彼の子供たちは最後まで悔いることも、許しを求めることもなく、ただ呪いの言葉を吐きつづけたという。 彼らにはなぜ自分が処刑されるのか理解できなかったのだ、 彼らは生きるために人を襲い食ったのである、本能の赴くままに、 そこには善悪などという基準はない、 なぜ自分たちが裁かれるのかが理解できないのである。 ライオンがシマウマを食べたからといってライオンを悪とは言わない、 ザリガニが共食いをしたからといってザリガニを悪とは言わない、 しかし人間が人間を殺すとこれは歴とした悪となる。 善悪とははたしてなんであろうか、 善悪とは人間が社会生活を守るために作り上げたルールである、 社会生活を脅かすものが悪であり、社会生活を守るために必要なものが善である、 社会が変われば善悪も変わる、 これは人間が作り出した基準にすぎないのだから・・ |